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大鏡『雲林院の菩提講』解説・品詞分解(2)

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 原文・現代語訳のみはこちら大鏡『雲林院の菩提講』現代語訳(2)

 

誰も少しよろしき者どもは、見おこせ、居寄りなど けり

 

し=サ変動詞「す」の連用形

 

けり=過去の助動詞「けり」の終止形

 

誰でも少し身分や教養のある者たちは、(話に興味を持って、老人たちの方を)見たり、近寄ったりなどした。

 

 

年三十ばかり なる侍めきたる者の、せちに近く寄りて、

 

ばかり=副助詞、(程度)~ほど・ぐらい。(限定)~だけ。

 

なる=断定の助動詞「なり」の連体形、接続は体言・連体形

 

たる=存続の助動詞「たり」の連体形、接続は連用形

 

せちに=ナリ活用の形容動詞「切なり(せちなり)」の連用形、ひたむきだ、一途だ。痛切だ。すばらしい。

 

(その中で)三十歳ぐらいの侍らしく見える者が、ひたすら近くに寄って

 

 

いで、いと あること言ふ老者たちかな

 

いで=感嘆詞、(感動・驚きを表して)いやもう、ほんとに、なんとまあ、さあ。

 

興(きょう)=名詞、面白さ、興趣、趣き

 

ある=ラ変動詞「あり」の連体形

 

かな=詠嘆の終助詞

 

「なんとまあ、とてもおもしろいことを言う老人たちですなあ。



 

さらに こそ 信ぜ られ 。」

 

さらに=下に打消語を伴って、「まったく~ない、決して~ない」。ここでは「ずね」が打消語

 

こそ=強調の係助詞、結びは連体形となる。係り結び。

 

信ぜ=サ変動詞「信ず」の未然形。  「名詞+す(サ変動詞)」で一つのサ変動詞になるものがいくらかある。例:「音す」、「愛す」、「ご覧ず」

 

られ=可能の助動詞「らる」の未然形、接続は未然形。「る」には「受身・尊敬・自発・可能」の四つの意味があるがここは文脈判断。平安以前では下に打消が来て「可能」の意味で用いられることが多い。平安以前では「可能」の意味の時は下に「打消」が来るということだが、下に「打消」が来ているからといって「可能」だとは限らない。鎌倉以降は「る・らる」単体でも可能の意味で用いられるようになった。

 

ね=打消の助動詞「ず」の已然形、接続は未然形。係助詞「こそ」を受けて已然形となっている。係り結び。

 

まったく信じられません。」

 

 

と言へ、翁二人見かはしてあざ笑ふ。

 

ば=接続助詞、直前が已然形だから①原因・理由「~なので、~から」②偶然条件「~ところ・~と」③恒常条件「(~する)といつも」のどれかであるが、文脈判断をして②の意味でとる。ちなみに、直前が未然形ならば④仮定条件「もし~ならば」である。

 

と言うと、おじいさん二人は、顔を見合わせて大声で笑う。

 

 

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 大鏡『雲林院の菩提講』現代語訳(2)

 

 大鏡『雲林院の菩提講』まとめ

 

 

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