青=現代語訳・下小文字=返り点・上小文字=送り仮名・解説=赤字
五言律詩。作者:李白(りはく)
青山橫二タハリ北郭一ニ
青山北郭に横たはり
青い山が町の北側に横たわり、
白水遶二ル東城一ヲ
白水東城を遶る
※城=町
白く輝く川が町の東側を回って流れている。
此ノ地一タビ為レシ別レヲ
此の地一たび別れを為し
この地で一度別れてしまうと
孤蓬万里ニ征ク
孤蓬万里に征く
風に吹かれて転がり飛ぶよもぎ草のように、万里のかなたに旅立って行く。
浮雲遊子ノ意
浮雲遊子の意
空に浮かんでいる雲は、旅人である君の心だ。
落日故人ノ情
落日故人の情
沈む夕日は、古くからの友人である私の心だ。
揮レリテ手ヲ自レリ茲去レバ
手を揮って茲より去れば
(握手をした)手を振りほどいて、ここから去ってゆくと、
蕭蕭トシテ班馬鳴ク
蕭蕭として班馬鳴く
別れ行く馬までも寂しげにいななく。
韻=城・征・情・鳴
※五言詩は原則として偶数句末でのみ韻を踏む。
対句=第一句と第二句・第五句と第六句が対句となっている。
※律詩は原則として第三句と第四句・第五句と第六句が対句となることが多い。しかしこの詩はそうではない。