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伊勢物語『つひにゆく道』現代語訳・解説・品詞分解

青=現代語訳

 目次:『伊勢物語』

 

=名詞

=名詞

わづらひ=ハ行四段動詞「煩ふ(わづらふ)」の連用形、苦しむ、悩む。病気になる。

=接続助詞

心地=名詞

死ぬ=ナ変動詞「死ぬ」の終止形、立ち去る、行ってしまう。ナ行変格活用の動詞は「死ぬ・往ぬ(いぬ)・去ぬ(いぬ)」

べく=推量の助動詞「べし」の連用形、接続は終止形(ラ変なら連体形)。㋜推量㋑意志㋕可能㋣当然㋱命令㋢適当のおよそ六つの意味がある。

おぼえ=ヤ行下二段動詞「思ゆ・覚ゆ(おぼゆ)」の已然形。「ゆ」には受身・自発・可能の意味が含まれており、ここでは「自発」の意味で使われている。訳:「(自然と)思われて」

けれ=過去の助動詞「けり」の已然形、接続は連用形

=接続助詞、直前が已然形だから①原因・理由「~なので、~から」②偶然条件「~ところ・~と」③恒常条件「(~する)といつも」のどれかであるが、文脈判断をして①の意味でとる。ちなみに、直前が未然形ならば④仮定条件「もし~ならば」である。

 

昔、男わづらひて、心地死ぬべくおぼえければ、

昔、ある男が病気になって、死にそうな心地に思われたので、(次の歌を詠んだ。)

 

 

つひに=副詞

ゆく=カ行四段動詞「行く」の連体形

=名詞

=格助詞

=係助詞

かねて=副詞

聞き=カ行四段動詞「聞く」の連用形

しか=過去の助動詞「き」の已然形、接続は連用形

=逆接の接続助詞、活用語の已然家につく。

昨日=名詞

今日=名詞

=格助詞

=係助詞

思は=ハ行四段動詞「思ふ」の未然形

ざり=打消の助動詞「ず」の連用形、接続は未然形

=過去の助動詞「き」の連体形

=間投助詞、用法は詠嘆。

 

つひにゆく  道とはかねて  聞きしかど  昨日今日とは  思はざりしを

(死とは)誰しもが最後に行く道とは以前から聞いていたけれど、(それが)昨日や今日のことだとは思いもしなかったことであるよ。

 

 

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