青=現代語訳・下小文字=返り点・上小文字=送り仮名・解説=赤字
助長=①物事の成長や発展などを助けること。 ②余計なことをして、物事の成長や発展などを妨害すること。
宋人ニ有下リ閔二ヘテ其ノ苗之不一レルヲ長ゼ而揠レク之ヲ者上。
宋人に其の苗の長ぜざるを閔へて之を揠く者有り。
※而=置き字(順接・逆接)
荘の国の人で植えた苗が成長しないのを心配して、その苗を抜いた者がいた。
芒芒然トシテ帰リテ、謂二ヒテ其ノ人一ニ曰ハク、「今日病レタリ矣。予助レケテ苗ヲ長ゼシムト矣。」
芒芒然として帰りて、其の人に謂ひて曰はく、「今日病れたり。予苗を助けて長ぜしむ。」と。
※矣=置き字(断定・強調)
※使役=「~(セ)シム。」→「~させる。」 文脈から判断して使役の意味でとらえることがある。
疲れた様子で家に帰って、その家族に向かって言うことには、「今日は疲れた。私は苗が成長するのを助けてやった。」と。
其ノ子趨リテ而往キテ視レレバ之ヲ、苗ハ則チ槁レタリ矣。
其の子趨りて往きて之を視れば、苗は則ち槁れたり。
その息子が走って行って様子を見ると、苗はすっかり枯れていた。