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老子『無為の治』原文・書き下し文・現代語訳

青=現代語訳・下小文字=返り点・上小文字=送り仮名・解説=赤字

 

無為の治=無為による政治

 

()レバ使()ヲシテ()一レ

(けん)(とうと)ばざれば、(たみ)をして(あらそ)はざらしむ。

※使=使役「使ヲシテ(セ)」→「AをしてB(せ)しむ」→「AにBさせる」

賢者を尊重しなければ、(賢くなろうと)民衆に争わなくさせることになる。

 

 

()レバ()使()ヲシテ()一レ

()(がた)きの()(とうと)ばざれば、(たみ)をして(とう)()ざらしむ。

 

手に入れにくい財宝を貴重なものとしなければ、民衆に盗みをしなくさせることになる。

 

 

()レバ()キヲ使()ヲシテ()一レ

(ほっ)べき(しめ)さざれば、(たみ)(こころ)をして(みだ)ざらしむ。

 

欲しがるものを示さなければ、民衆の心に混乱しなくさせることになる。

 

 

ツテ聖人()、虚シクシテ、実タシ、弱クシテ、強クスシ

(ここ)()つて聖人(せいじん)()は、()(こころ)(むな)しくして、その(はら)()たし、その(こころざし)(よわ)して、その(ほね)(つよ)し、

※是以=「是ツテ」「(ここ)()」、「こういうわけで、それで」   (注意)以是=「以ツテレヲ」「()()」、「このことによって、このことから」

こういうわけで、徳の高い人の政治は、人々の心をからっぽにして、その腹を満足させ、その向上心を弱くして、その体を強くし、



使()ヲシテ無知無欲ナラ使()ムル智者ヲシテ()ヘテ(なり)

(つね)(たみ)をして()()()(よく)ならしめ、()()(しゃ)をして()えて()さざらしむるなり。

※「不ヘテ ~(せ)」=しいて(無理に) ~しようとはしない。 ~するようなことはしない

常に民衆に無知無欲でいさせ、世間でいう知恵のある者に行動するようなことはさせない。

 

 

セバ無為、即()ルコトマラ

()()()せば(すなわ)(おさ)まらざること()し。

 

無為の政治を行えば、世の中がおさまらないということはない。

 

 

『老子』まとめ

 

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