解答はこちら徒然草『丹波に出雲といふ所あり』問題の解答
丹波に出雲と云ふ所あり。大社を移して、①めでたく造れり。②しだの某とかやしる所なれば、秋のころ、聖海上人、その他も人③あまた誘ひて、『④いざ給へ、出雲拝みに。⑤かいもちひ召させん。』 とて、具しもて行き⑥たるに、各々拝みて、⑦ゆゆしく信おこしたり。
御前なる獅子・狛犬、背きて、後さまに立ちたりければ、上人、いみじく感じて、「⑧あなめでたや。この獅子の立ち様、いとめづらし。深き故あら⑨ん。」と涙ぐみて、「⑩いかに殿ばら、殊勝の事は御覧じ咎めずや。無下なり。」と言へば、各々怪しみて、「まことに他に異なりけり。都のつとに語ら⑪ん。」など言ふに、
上人、なほ⑫ゆかしがりて、おとなしく、物⑬知りぬべき顔し⑭たる神官を呼びて、「この御社の獅子の立てられやう、定めて習ひある事に⑮侍ら⑯ん。⑰ちと承らばや。」と⑱言はれければ、「その事に⑲候ふ。⑳さがなき童べどものつかまつりける、奇怪に候ふ事なり。」とて、さし寄りて、据ゑ直して、㉑往にければ、上人の感涙㉒いたづらになりにけり。
問題１．②某、④給へ、⑮侍ら、⑲候ふ、の漢字の読みを答えよ。
②
④
⑮
⑲
問題２．①めでたし、③あまた、⑦ゆゆしく、⑫ゆかしがる、⑮侍り、⑲候ふ、㉒いたづらに、のここでの意味を答えよ。（※左記の用言の一部は終止形で表記してある。それらは終止形のものとして意味を考えよ。）
①
③
⑦
⑫
⑮
⑲
㉒
問題３．⑥たる、⑨ん、⑪ん、⑭たる、⑯ん、の文法的説明として、次の記号から適当なものを一つ選んで答えよ。（注：意味だけ書かれているものは全て助動詞である）
ア．打消 イ．完了 ウ．存続 エ．過去 オ．受身 カ．尊敬 キ．自発 ク．推量 ケ．意志 コ．勧誘 サ．婉曲 シ．動詞の一部 ス．助詞
⑥
⑨
⑪
⑭
⑯
問題４．「⑬知りぬべき」、「⑱言はれけれ」、「㉑往にけれ」、を例にならって品詞分解し、説明せよ。
例：「聞 き／し／歌。」
聞き＝動詞・四段・連用形
し＝助動詞・過去・連体形
歌＝体言
⑬品詞分解：「知 り ぬ べ き」
⑱品詞分解：「言 は れ け れ」
㉑品詞分解：「往 に け れ」
問題５．「②しだの某とかやしる所なれば」、「④いざ給へ」、「⑤かいもちひ召させん」、「⑧あなめでたや」、「⑩いかに殿ばら、殊勝の事は御覧じ咎めずや。無下なり。」、「⑰ちと承らばや」、「⑳さがなき童べどものつかまつりける、奇怪に候ふ事なり」、の現代語訳を答えよ。
②
④
⑤
⑧
⑩
⑰
⑳
問題６．「⑫ゆかしがり」とあるが、聖海上人は何をゆかしがったのか答えよ。
答え：