青=現代語訳・下小文字=返り点・上小文字=送り仮名・解説=赤字
七言絶句。作者:李白(りはく)
望二ム廬山ノ瀑布一ヲ
廬山の瀑布を望む
廬山の滝を遠望する
日ハ照二ラシテ香炉一ヲ生二ズ紫煙一
日は香炉を照らして紫煙生ず
太陽が香炉峰を照らして、(その峰からは)紫色のもやが立ちのぼっている。
遥カニ看ル瀑布ノ挂二カルヲ前川一ニ
遥かに看る瀑布の前川に挂かるを
遠くに見えるのは、滝が前を流れる川にかかるようにして落ちている景色だ。
飛流直下三千尺
飛流直下三千尺
飛ぶような流れは、まっすぐに三千尺もの高さを流れ落ちる。
疑フラクハ是レ銀河ノ落二ツルカト九天一ヨリ
疑ふらくは是れ銀河の九天より落つるかと
まるで天の川が空から流れ落ちて来たのかと疑うほどだ。
韻=煙・川・天
※七言詩は原則として第一句末と偶数句末で韻を踏む。