「黒=原文」・「赤=解説」・「青=現代語訳」
作者:藤原俊成(ふじわらのとしなり)
またや見む 交野のみ野の 桜狩り 花の雪散る 春のあけぼの
や=反語の係助詞、結びは連体形となる。係り結び。
む=推量の助動詞「む」の連体形、接続は未然形。係助詞「や」を受けて連体形となっている。係り結び。㋜推量・㋑意志・㋕勧誘・㋕仮定・㋓婉曲の五つの意味があるが、文末に来ると「㋜推量・㋑意志・㋕勧誘」のどれかである。
曙(あけぼの)=名詞、夜明け方
また見ることがあるだろうか、いや、ないだろう。交野のみ野での花見で、桜の花が雪のように舞い散る、この春のあけぼののすばらしい景色を。
※縁語…ある言葉と意味上の縁のある言葉。ある言葉から連想できる言葉が縁語。
例:「舟」の縁語は「漕ぐ」「沖」「海」「釣」など
この和歌では「狩り」の縁語として「雪」が用いられている。