「黒=原文」・「赤=解説」・「青=現代語訳」
作者不詳:詠み人知らず
五月待つ 花橘の 香をかげば 昔の人の 袖の香ぞする
ば=接続助詞、直前が已然形だから①原因・理由「~なので、~から」②偶然条件「~ところ・~と」③恒常条件「(~する)といつも」のどれかであるが、文脈判断をして②の意味でとる。ちなみに、直前が未然形ならば④仮定条件「もし~ならば」である。
ぞ=強調の係助詞、結びは連体形となる。係り結び。
する=サ変動詞「す」の連体形。係助詞「ぞ」を受けて連体形となっている。係り結び。
五月を待って咲く橘の花の香りをかぐと、昔親しくしていた人(=恋人)の袖の香りがすることだ。