「黒=原文」・「赤=解説」・「青=現代語訳」
作者:大伴家持(おおとものやかもち)
うらうらに 照れる春日に ひばり上がり 心悲しも ひとりし思へば
うらうらに=副詞、日がのどかに照っている様子、うららか。
照れ=ラ行四段動詞「照る」の已然形
る=存続の助動詞「り」の連体形、接続はサ変なら未然形・四段なら已然形
雲雀(ひばり)=名詞、鳥の名称
も=詠嘆の終助詞
し=「ひとりし」の「し」は強意の副助詞。訳す際にはあまり気にしなくてもよい。
ば=接続助詞、直前が已然形だから①原因・理由「~なので、~から」②偶然条件「~ところ・~と」③恒常条件「(~する)といつも」のどれかであるが、文脈判断をして②の意味でとる。ちなみに、直前が未然形ならば④仮定条件「もし~ならば」である。
うららかに照っている春の日にひばりが空へ上がり、一人でもの思いにふけっていると、なんとなくもの悲しいことだよ。
※「心悲しも」と「ひとりし思へば」の順序が逆であり、倒置法が用いられている。