「黒=原文」・「赤=解説」・「青=現代語訳」
作者:柿本人麻呂(かきのもとひとまろ)
近江の海 夕波千鳥 汝が鳴けば 心もしのに いにしへ思ほゆ
汝(な・なんぢ・なんじ)=名詞、おまえ
ば=接続助詞、直前が已然形だから①原因・理由「~なので、~から」②偶然条件「~ところ・~と」③恒常条件「(~する)といつも」のどれかであるが、文脈判断をして②の意味でとる。ちなみに、直前が未然形ならば④仮定条件「もし~ならば」である。
しのに=副詞、しおれて、しんみりと
思ほゆ=ヤ行下二段動詞「思ほゆ」の終止形、自然と思われる、感じられる
近江の湖(=琵琶湖)の夕暮れ時に波の上で群れて飛んでいる千鳥よ。お前が鳴くと、心もしんみりとして昔のことが思われることだ。