古文

徒然草『仁和寺にある法師』品詞分解のみ

青=現代語訳

原文・現代語訳のみはこちら徒然草『仁和寺にある法師』現代語訳

 

仁和寺=名詞

=格助詞

ある=ラ変動詞「あり」の連体形

法師=名詞

=名詞

寄る=ラ行四段動詞「寄る」の連体形

まで=副助詞

石清水(いわしみず)=名詞

=格助詞

拝ま=マ行四段動詞「拝む(おがむ)」の未然形

ざり=打消の助動詞「ず」の連用形、接続(直前の活用形)は未然形

けれ=過去の助動詞「けり」の已然形、接続は連用形

=接続助詞、直前が已然形だから①原因・理由「~なので、~から」②偶然条件「~ところ・~と」③恒常条件「(~する)といつも」のどれかであるが、文脈判断をして①の意味でとる。ちなみに、直前が未然形ならば④仮定条件「もし~ならば」である。

 

仁和寺にある法師、年よるまで岩清水を拝まざりければ、

仁和寺にある法師が、年をとるまで、石清水八幡宮に参拝したことがなかったので、

 

 

心うく=ク活用の形容詞「心憂し」の連用形、残念だ、気にかかる、いやだ、不愉快だ

覚え=ヤ行下二段動詞「覚ゆ(おぼゆ)」の連用形。「ゆ」には受身・自発・可能の意味が含まれており、ここでは「自発」の意味で使われている。訳:「(自然と)思われて」

=接続助詞

ある=連体詞

とき=名詞

思ひ立ち=タ行四段動詞「思ひ立つ」の連用形

=接続助詞

ただ=副詞

一人=名詞

徒歩(かち)=名詞、徒歩

より=格助詞、(手段・用法)~で、(経過点)~を通って、(即時:直前に連体形がきて)~するやいなや

まうで=ダ行下二段動詞「詣づ/参づ(もうづ)」の連用形、「行く」の謙譲語。参る、参上する。お参りする。

けり=過去の助動詞「けり」の終止形、接続は連用形

 

心うく覚えて、あるとき思ひ立ちて、ただ一人、徒歩よりまうでけり。

残念に思われて、ある時思い立って、ただ一人、徒歩で参拝した。

 

 

極楽寺=名詞

高良(こうら)=名詞

など=副助詞

=格助詞

拝み=マ行四段動詞「拝む(おがむ)」の連用形

=接続助詞

かばかり=副詞、これだけ、これほど、このくらい

=格助詞

心得=ア行下二動詞「心得(こころう)」の連用形、事情などを理解する。ア行下二段活用の動詞は「得(う)」・「心得(こころう)」・「所得(ところう)」の3つしかないと思ってよいので、大学受験に向けて覚えておくとよい。

=接続助詞

帰り=ラ行四段動詞「帰る」の連用形

=完了の助動詞「ぬ」の連用形、接続は連用形

けり=過去の助動詞「けり」の終止形、接続は連用形

 

極楽寺、高良などを拝みて、かばかりと心得て帰りにけり。

極楽寺、高良神社などを拝んで、これだけだと思って帰ってしまった。

※石清水八幡宮はこれだけで全部だと勝手に思い込んで帰ってしまったということ。

 

 

さて=接続詞、(話題を変えるときに、文頭において)さて、そして、ところで、それで

かたへ=名詞、片側、片方。一部分。傍ら、そば。同僚、仲間。

=格助詞

=名詞

=格助詞

あひ=ハ行四段動詞「会ふ」の連用形

=接続助詞

年ごろ=名詞、数年間、長年

思ひ=ハ行四段動詞「思ふ」の連用形

つる=完了の助動詞「つ」の連体形、接続は連用形

こと=名詞

果たし=サ行四段動詞「果たす」の連用形

はべり=補助動詞ラ変「侍り(はべり)」の連用形、丁寧語。言葉の受け手であるかたへの人を敬っている。仁和寺にある法師からの敬意。

※「候ふ・侍(はべ)り」は補助動詞だと丁寧語「~です、~ます」の意味であるが、本動詞だと、丁寧語「あります、ございます、おります」と謙譲語「お仕え申し上げる、お控え申し上げる」の二つ意味がある。

=完了の助動詞「ぬ」の終止形、接続は連用形

 

さて、かたへの人にあひて、「年ごろ思ひつること、果たしはべりぬ。

そして、仲間の法師に向かって、「長年思っていたことを、果たしました。

 

 

聞き=カ行四段動詞「聞く」の連用形

=過去の助動詞「き」の連体形、接続は連用形

=格助詞

=係助詞

過ぎ=ガ行上二段動詞「過ぐ」の連用形

=接続助詞

尊く=ク活用の形容詞「尊し」の連用形

こそ=強調の係助詞、結び(文末)は已然形となる。係り結び。係り結びとなる係助詞は「ぞ・なむ・や・か・こそ」とあるが、「ぞ・なむ・や・か」の結びは連体形となり、「こそ」の結びは已然形となる。「ぞ・なむ・こそ」は強調の意味である時がほとんどで、訳す際には無視して訳す感じになる。「尊くこそおはしけれ。」→「尊くおはしけり。」

おはし=サ変動詞「おはす」の連用形、「あり」の尊敬語。いらっしゃる、おられる、あおりになる。

けれ=過去の助動詞「けり」の已然形、接続は連用形。係助詞「こそ」を受けて已然形となっている。係り結び。

 

聞きしにも過ぎて、尊くこそおはしけれ。

以前から聞いていた以上に、尊いおありでした。



 

そも=接続助詞

参り=ラ行四段動詞「参る」の連用形、「行く」の謙譲語

たる=完了の助動詞「たり」の連体形、接続は連用形

人ごと=名詞

=格助詞

=名詞

=格助詞

登り=ラ行四段動詞「登る」の連用形

=過去の助動詞「き」の連体形、接続は連用形

=係助詞

何事=名詞

=疑問の係助詞、結びは連体形となる。係り結び。

あり=ラ変動詞「ある」の連用形

けん=過去推量の助動詞「けむ」の連体形が音便化したもの。係助詞「か」を受けて連体形となっている。

ゆかしかり=シク活用の形容詞「ゆかし」の連用形、心がひきつけられる、見たい、聞きたい、知りたい

しか=過去の助動詞「き」の已然形、接続は連用形

=逆接の接続助詞、活用語の已然形につく。

 

そも、参りたる人ごとに山へ登りしは、何事かありけん、ゆかしかりしかど、

それにしても、お参りに来たどの人も山へ登ったのは、何事があったのだろうか、知りたいと思ったけれど、

 

 

=名詞

=格助詞

参る=ラ行四段動詞「参る」の連体形

こそ=強調の係助詞、結びは已然形となる。係り結び。

本意=名詞、本来の意志、かねてからの願い

なれ=断定の助動詞「なり」の已然形、接続は体言・連体形。係助詞「こそ」を受けて已然形となっている。係り結び。

=格助詞

思ひ=ハ行四段動詞「思ふ」の連用形

=接続助詞

=名詞

まで=副助詞

=係助詞

=マ行上一動詞「見る」の未然形。上一段活用の動詞は「{ ひ・い・き・に・み・ゐ } る」

=打消の助動詞「ず」の終止形、接続は未然形

=格助詞

=強調の係助詞、結びは連体形となる。係り結び。

言ひ=ハ行四段動詞「言ふ」の連用形

ける=過去の助動詞「けり」の連体形、接続は連用形。係助詞「ぞ」を受けて連体形となっている。係り結び。

 

神へ参るこそ本意なれと思ひて、山までは見ず。」とぞ言ひける。

神へお参りすることが(私の)本来の目的であると思って、山(の上)までは見ませんでした。」と言ったのだった。

※山の上にある石清水八幡宮の本殿には参らず、ふもとの付属の寺と神社に参っただけで帰ってきてしまったという間抜けな話。

 

 

少し=副詞

=格助詞

こと=名詞

=格助詞

=係助詞

先達(せんだつ)=名詞

=係助詞

あら=ラ変動詞「あり」の未然形

まほしき=希望の助動詞「まほし」の連体形、接続は未然形

こと=名詞

なり=断定の助動詞「なり」の終止形、接続は体言・連体形

 

少しのことにも、先達はあらまほしきことなり。

ちょっとしたことにも、指導者はあってほしいものである。

 

 

 原文・現代語訳のみはこちら徒然草『仁和寺にある法師』現代語訳

 

 

 

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