「黒=原文」・「赤=解説」・「青=現代語訳」
作者:寂蓮法師(じゃくれんほうし)
寂しさは その色としも なかりけり まき立つ山の 秋の夕暮れ
しも=強意の副助詞。訳す際にはあまり気にしなくてもよい。
なかり=ク活用の形容詞「無し」の連用形
けり=詠嘆の助動詞「けり」の終止形、接続は連用形。「けり」は過去の意味で使われることがほとんどだが、①和歌での「けり」②会話文での「けり」③なりけりの「けり」では詠嘆に警戒する必要がある。①はほぼ必ず詠嘆だが、②③は文脈判断
この寂しさは、どの色と限ってのことではないのだなあ。(ただどことなく寂しい)常緑樹が立ち並ぶ山の秋の夕暮れよ。