フロンティア古典教室

『且買履』原文・書き下し文・現代語訳

      2017/11/10

青=現代語訳・下小文字=返り点・上小文字=送り仮名・解説=赤字

 

 

鄭人(まさ/す)ニ/ルハント

(てい)(ひと)(まさ)(くつ)()はんとする(もの)()り。

※「(まさ/す) ~(セ)ント」=再読文字、「且に ~(せ)んとす」、「いまにも ~しようとする/ ~するつもりだ」

鄭の国の人に今にも履物を買おうとする者がいた。

 

 

リテ而置

()(みずか)()(あし)(はか)りて(これ)()()()く。

※而=置き字(順接・逆接)

まず自ら自分の足の寸法を測ってそれ(=寸法書き)を座席に置いた。

 

 

リテクニ而忘ルヲ

(いち)()くに(いた)りて(これ)()(わす)る。

※而=置き字(順接・逆接)

市場に行く際にそれを持って行くのを忘れた。

 

 

、乃ハク、「吾忘ルトツコトヲ。」

(すで)(くつ)()て、(すなわ)()はく、「(われ)()()つことを(わす)る。」と。

 

すでに履物を手にして、そこで言うことには、「私は寸法書きを持って来るのを忘れた。」と。



リテ。及ビテルニ市罷。遂()

(かえ)(かえ)りて(これ)()る。(かえ)るに(およ)びて(いち)()む。(つい)(くつ)()ず。

 

引き返して家に帰りそれを手に取った。戻って来た時には市場は終わっていた。結局、履物を手に入れられなかった。

 

 

人曰ハク、「何()ルトミルニ一レテセ。」

(ひと)()はく、「(なん)(これ)(こころ)みるに(あし)()ってせざる。」と。

※「何 ~(スル)」=疑問、「何ぞ ~(する)」「どうして ~か」

ある人が(この人に対して)言うことには、「どうして自分の足に合わせてみなかったのか。」と。

 

 

ハク、「寧ズルモシトズル也。」

()はく、「(むし)()(しん)ずるも(みずか)(しん)ずる()し。」と。

 

(この人が)言うことには、「寸法書きは信用していても、自分の足は信用していないのだ。」と。

「寸法書きは信用できても、自分の足は信用できないからさ」と答えた。

 

 

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