フロンティア古典教室

大和物語『姨捨』品詞分解のみ(1)

   

青=現代語訳

 大和物語『姨捨』まとめ

 

信濃(しなの)の国=名詞

=格助詞

更級(さらしな)=名詞

=格助詞

いふ=ハ行四段動詞「言ふ」の連体形

=名詞

=格助詞

=名詞

住み=マ行四段動詞「住む」の連用形

けり=過去の助動詞「けり」の終止形

 

(しな)()の国に(さら)(しな)といふ所に、男住みけり。

信濃の国で更級という所に、男が住んでいた。

 

 

若き=ク活用の形容詞「若し」の連体形

=名詞

=格助詞

=名詞

=係助詞

死に=ナ変動詞「死ぬ」の連用形。ナ行変格活用の動詞は「死ぬ・往ぬ(いぬ)・去ぬ(いぬ)」

けれ=過去の助動詞「けり」の已然形、接続は連用形

=接続助詞、直前が已然形だから①原因・理由「~なので、~から」②偶然条件「~ところ・~と」③恒常条件「(~する)といつも」のどれかであるが、文脈判断をして①の意味でとる。ちなみに、直前が未然形ならば④仮定条件「もし~ならば」である。

をば(姨)=名詞、伯母、親の姉

なむ=強調の係助詞。結びは連体形となるはずであるが、「あるに、」となって、接続助詞「に」が付いているせいで『係り結びの消滅』が起こっている。

=名詞

=格助詞

ごとくに=比況の助動詞「ごとくなり」の連用形

若く=ク活用の形容詞「若し」の連用形

より=格助詞、(起点)~から。(手段・用法)~で。(経過点)~を通って。(即時:直前に連体形がきて)~するやいなや。

あひ添ひ=ハ行四段動詞「あひ添ふ」の連用形、付き添う、付き添って世話をする、一緒に生活する

=接続助詞

ある=ラ変動詞「あり」の連体形、本来ならば係助詞「なむ」の結びとなるはずだが、接続助詞「に」が付いているせいで『係り結びの消滅』が起こっている。

=接続助詞

 

若き時に親死にければ、をばなむ親のごとくに、若くよりあひ添ひてあるに、

若い時に親が死んだので、おばが親のように、若い時から付き添って(世話をして)いたが、

 

 

=代名詞

=格助詞

心憂き=ク活用の形容詞「心憂し」の連体形、気にかかる、いやだ、不愉快だ

こと=名詞

多く=ク活用の形容詞「多し」の連用形

=接続助詞

=代名詞

=格助詞

姑(しゅうとめ)=名詞

=格助詞

老いかがまり=ラ行四段動詞「老いかがまる」の連用形、年老いて腰が曲がる

=接続助詞

=ワ行上一段動詞「居る(ゐる)」の連用形

たる=存続の助動詞「たり」の連体形、接続は連用形

=格助詞

常に=副詞

憎み=マ行四段動詞「憎む」の連用形

つつ=接続助詞、①反復「~しては~」②継続「~し続けて」③並行「~しながら」④(和歌で)詠嘆、の意味があり、ここでは②継続「~し続けて」の意味だと思われるが、①の可能性もある。

 

この()の心憂きこと多くて、この(しゅうとめ)の、老いかがまりてゐたるを常に憎みつつ、

この(男の)妻にとっての気に食わないことが多くて、この姑が、年老いて腰が曲がっているのを常に憎み続けて、

 

 

=名詞

=格助詞

=係助詞

=代名詞

=格助詞

をば(姨)=名詞

=格助詞

御心=名詞

=格助詞

さがなく=ク活用の形容詞「さがなし」の連用形、性質がよくない、意地が悪い、たちが悪い

あしき=シク活用の形容詞「悪(あ)し」の連体形、良くない、悪い、卑しい

こと=名詞

言ひ聞かせ=サ行下二段動詞「言ひ聞かす」の連用形、言って聞かせる、分かるように説明する

けれ=過去の助動詞「けり」の已然形、接続は連用形

=接続助詞、直前が已然形だから①原因・理由「~なので、~から」②偶然条件「~ところ・~と」③恒常条件「(~する)といつも」のどれかであるが、文脈判断をして①の意味でとる。ちなみに、直前が未然形ならば④仮定条件「もし~ならば」である。

 

男にもこのをばの御心のさがなくあしきことを言ひ聞かせければ、

男にもこのおばのお心の性質が良くないことを言って聞かせたので、

 

 

=名詞

=格助詞

ごとくに=比況の助動詞「ごとくなり」の連用形

=係助詞

あら=ラ変動詞「あり」の未然形

=打消の助動詞「ず」の連用形、接続は未然形

おろかなる=ナリ活用の形容動詞「疎かなり・愚かなり(おろかなり)」の連体形、おろそかだ、いいかげんだ

こと=名詞

多く=ク活用の形容詞「多し」の連用形

=代名詞

=格助詞

をば(姨)=名詞

=格助詞

ため=名詞

=格助詞

なりゆき=カ行四段動詞「成り行く」の連用形、次第にそうなっていく

けり=過去の助動詞「けり」の終止形、接続は連用形

 

昔のごとくにもあらず、おろかなること多く、このをばのためになりゆきけり。

昔のようにもなく、(男もおばに対して)おろそかにすることが多く、このおばに対して次第にそうなっていった。

 

 

=代名詞

=格助詞

をば(姨)=名詞

いと=副詞

いたう=ク活用の形容詞「甚(いた)し」の連用形が音便化したもの、(良い意味でも悪い意味でも)程度がひどい

老い=ヤ行上二段動詞「老ゆ」の連用形。ヤ行上二段活用の動詞は「老ゆ・悔ゆ・報ゆ」の3つだけだと思って、受験対策に覚えておいた方がよい。

=接続助詞

二重(ふたえ)=名詞

=断定の助動詞「なり」の連用形、接続は体言・連体形

=接続助詞

=ワ行上一段動詞「居(ゐ)る」の連用形

たり=存続の助動詞「たり」の終止形、接続は連用形

 

このをば、いといたう 老いて、(ふた)()にてゐたり。

このおばは、たいそうひどく年老いて、(腰が折れ曲がって)二重になっていた。

 

 

これ=代名詞

=格助詞

なほ=副詞、やはり。さらに。それでもやはり。

=代名詞

=格助詞

=名詞

ところせがり=ラ行四段動詞「所狭がる」の連用形、やっかいに思う、窮屈がる

=接続助詞

=名詞

まで=副助詞

死な=ナ変動詞「死ぬ」の未然形。ナ行変格活用の動詞は「死ぬ・往ぬ(いぬ)・去ぬ(いぬ)」

=打消の助動詞「ず」の連体形、接続は未然形。

こと=名詞

=格助詞

思ひ=ハ行四段動詞「思ふ」の連用形

=接続助詞

よから=ク活用の形容詞「良し(よし)」の未然形、対義語は「悪し(あし)」。「よし>よろし≧普通≧わろし>あし」みたいなイメージ。

=打消の助動詞「ず」の連体形、接続は未然形

こと=名詞

=格助詞

言ひ=ハ行四段動詞「言ふ」の連用形

つつ=接続助詞、①反復「~しては~」②継続「~し続けて」③並行「~しながら」④(和歌で)詠嘆、の意味があり、ここでは①反復「~しては~」の意味だと思われる。

 

これをなほ、この嫁、ところせがりて、今まで死なぬことと思ひて、よからぬことを言ひつつ、

これをやはり、この嫁はやっかいに思って、今まで(よくもまあ)死なないことと思って、(男に対しておばの)良くないことを言っては、

 

 

もて=連語。「持ち(タ行四段動詞・連用形)/て(接続助詞)」の訳された形

いまし=サ変動詞「います」の連用形。「行く」の尊敬語として使われている。

=接続助詞

深き=ク活用の形容詞「深し」の連体形

=名詞

=格助詞

捨て=タ行下二段動詞「捨つ(すつ)」の連用形

たうび=補助動詞バ行四段「たうぶ」の連用形、尊敬語。「給ふ」の発音だけが変化したもの。動作の主体である男を敬っている。嫁からの敬意。

てよ=完了の助動詞「つ」の命令形、接続は連用形

=格助詞

のみ=副助詞

責め=マ行下二段動詞「責む(せむ)」の連用形

けれ=過去の助動詞「けり」の已然形、接続は連用形

=接続助詞、直前が已然形だから①原因・理由「~なので、~から」②偶然条件「~ところ・~と」③恒常条件「(~する)といつも」のどれかであるが、文脈判断をして①の意味でとる。ちなみに、直前が未然形ならば④仮定条件「もし~ならば」である。

 

「もていまして、深き山に捨てたうびてよ。」とのみ責めければ、

「(おばを)連れてお行きになって、深い山奥にお捨てになってしまってください。」とばかり責めたので、

 

 

責め=マ行下二段動詞「責む(せむ)」の未然形

られ=受身の助動詞「らる」の連用形、接続は未然形。「らる」には「受身・尊敬・自発・可能」の四つの意味があるがここは文脈判断。

わび=バ行上二動詞「侘ぶ(わぶ)」の連用形、困る、つらいと思う、寂しいと思う

=接続助詞

=副詞、そのように、そう

=サ変動詞「す」の連用形、する

=強意の助動詞「つ」の未然形、接続は連用形。「つ・ぬ」は「完了・強意」の二つの意味があるが、直後に推量系統の助動詞「む・べし・らむ・まし」などが来るときには「強意」の意味となる

=意志の助動詞「む」の終止形、接続は未然形。この「む」は、㋜推量・㋑意志・㋕勧誘・㋕仮定・㋓婉曲の五つの意味があるが、文末に来ると「㋜推量・㋑意志・㋕勧誘」のどれかである。

=格助詞

思ひなり=ハ行四段動詞「思ひなる」の連用形

=完了の助動詞「ぬ」の終止形、接続は連用形

 

責められわびて、さしてむと思ひなりぬ。

(男は)責められ困って、そのようにしてしまおうと思うようになった。

 

 

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大和物語『姨捨』まとめ

 

 

 

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