フロンティア古典教室

宇治拾遺物語『検非違使忠明の事』問題の解答(用言・単語など)

      2016/06/28

青字=解答」・「※赤字=注意書き、解説等

問題はこちら宇治拾遺物語『検非違使忠明の事』問題(用言・単語など)

 

これも今は昔、忠明といふ検非違使ありけり。それが若かりけるとき、清水の橋のもとにて、京童部どもといさかひけり。

 

京童部手ごとに刀を抜きて、忠明を立ち込めて、殺さむとしければ、忠明も太刀を抜きて、御堂ざまに上るに、御堂の東のつまにも、あまた立ち向かひ合ひたれば、内へ逃げて、のもとをわきに挟みて、前の谷へ踊り落つ

 

蔀、風にしぶかれて、谷の底に鳥のゐるやうに、やをら落ちにければ、それより逃げて往にけり。京童部ども谷を見下ろして、あさましがり、立ち並みけれども、すべきやうもなくてやみにけりとなむ。

 

 

問題1.②検非違使、⑤童部、⑨太刀、⑭蔀、の漢字の読みを答えよ。

 

けびいし(けびゐし)

検非違使=平安時代に京都の治安維持に当たった職

わらんべ・わらわべ

京童部=京の市中の若者たち

たち

しとみ

蔀(しとみ)=名詞、板戸

 

 

問題2.⑥いさかひ、⑩つま、⑪あまた、⑱やをら、⑳あさましがる、㉓すべきやうもなくて、のここでの意味を答えよ。㉓については現代語訳を答えよ。(※左記の用言は終止形で表記してある。終止形のものとして意味を考えよ。)

 

けんか

いさかひ(諍ひ)=名詞、けんか、言い争い

端・へり・きわ

つま(端)=名詞、端、へり、きわ

大勢・たくさん

あまた(数多)=副詞、たくさん、大勢

そっと・静かに

やをら=副詞、静かに、そっと

驚きあきれるばかりだ・びっくりすることだ

あさましがり=ラ行四段動詞「あさましがる」の連用形、驚きあきれるばかりだ、びっくりすることだ

どうしようもなくて

す=サ変動詞「す」の終止形、する

 

べき=可能の助動詞「べし」の連体形、接続は終止形(ラ変なら連体形)。「べし」は㋜推量㋑意志㋕可能㋣当然㋱命令㋢適当のおよそ六つの意味がある

 

なく=ク活用の形容詞「なし(無し)」の連用形

 

 

問題3.①いふ、③あり、④若かり、⑦し、⑧立ち込め、⑫立ち、⑬向かひ合ひ、⑮落つ、⑯しぶか、⑰ゐる、⑲往に、⑳あさましがり、㉑並み、㉒見、㉔やみ、の活用の種類と活用形をそれぞれ答えよ。(解答例:㊿ハ行四段活用・連用形)

 

ハ行四段活用・連体形

いふ=ハ行四段活用の動詞「言ふ」の連体形。ちなみに、直後に体言(ここでは「検非違使」)があるため連体形(体言に連なる形)となっている。

ラ行変格活用・連用形

あり=ラ変動詞「あり」の連用形、直後に接続が連用形の助動詞「けり」が来ているため連用形となっている。

けり=過去の助動詞「けり」の終止形、接続(直前に来る用言の活用形)は連用形

ク活用・連用形

若かり=ク活用形容詞「若し」の連用形、直後に接続が連用形の助動詞「ける」が来ているため連用形となっている。

ける=過去の助動詞「けり」の連体形、接続は連用形

サ行変格活用・連用形

し=サ変動詞「す」の連用形、する。直後に接続が連用形の助動詞「けり」が来ているため連用形となっている。

けり=過去の助動詞「けり」の終止形、接続(直前に来る用言の活用形)は連用形

マ行下二段活用・連用形

立ち込め=マ行下二動詞「立ち込む」の連用形。取り囲む。直後に接続助詞「て」が着たら連用形となる。

タ行四段活用・連用形

立ち=タ行四段動詞の連用形。直後に接続助詞「て」が着たら連用形となる。

ハ行四段活用・連用形

向かひ合ひ=ハ行四段動詞の連用形。直後に接続が連用形の助動詞「たれ」が来ているため連用形となっている。

たれ=完了の助動詞「たり」の已然形、接続は連用形

タ行上二段活用・終止形

落つ=タ行上二動詞の終止形。文末なので終止形。

カ行四段活用・未然形

しぶか=カ行四段動詞「しぶく(渋く)」の未然形。滞る、妨げる、押しとどめる。直後に接続が未然形の助動詞「れ」が来ているため連用形となっている。

れ=受身の助動詞「る」の連用形、接続は未然形。「る」には「受身・尊敬・自発・可能」の4つの意味がある。

ワ行上一段活用・連体形

ゐる(居る)=ワ行上一動詞の連体形。すわる、とまる、とどまる。上一段活用の動詞は「{ ひ・い・き・に・み・ゐ } る」と覚える。

ナ行変格活用・連用形

往に=ナ変動詞「往ぬ」の連用形、行ってしまう、去る。ナ行変格活用の動詞は「死ぬ・往(い)ぬ・去(い)ぬ」

けり=過去の助動詞「けり」の終止形、接続は連用形

ラ行四段活用・連用形

あさましがり=ラ行四段動詞「あさましがる」の連用形、驚きあきれるばかりだ、びっくりすることだ

マ行四段活用・連用形

並み=マ行四段動詞「並む」の連用形、ならぶ。直後に接続助詞「て」が着たら連用形となる。

マ行上一段活用・連用形

見=マ行上一動詞「見る」の連用形。上一段活用の動詞は「{ ひ・い・き・に・み・ゐ } る」と覚える。

けれ=過去の助動詞「けり」の已然形、接続は連用形

マ行四段活用・連用形

やみ=マ行四段動詞「止む」の連用形。終わる、(続いていたことが)中止になる。直後に接続が連用形の助動詞「に」が来ているため連用形となっている。

に=完了の助動詞「ぬ」の連用形、接続は連用形

 

 

文法・読解問題などはこちら宇治拾遺物語『検非違使忠明の事』問題(文法・読解・現代語訳)

 

宇治拾遺物語『検非違使忠明の事』解説・品詞分解

 

宇治拾遺物語『検非違使忠明の事』まとめ

 

 

 

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