フロンティア古典教室

ちごのそらね(稚児のそら寝)問題の解答(用言・単語など)

      2016/04/26

青字=解答」・「※赤字=注意書き、解説等

 問題はこちらちごのそらね(稚児のそら寝)問題(用言・単語など)

 

今は昔、比叡の山に児ありけり。僧たち、つれづれに、「いざ、かいもちひん。」と言ひけるを、この児、心寄せに聞きけり。

 

さりとてしいださんを待ちてざらんも、わろかりなんと思ひて、片方に寄りて、たるよしにて、出で来るを待ちけるに、すでにしいだしたるさまにて、ひしめき合ひたり。

 

この児、定めて驚かさんずらむと、待ちゐたるに、僧の、「もの申しさぶらはむ。驚かたまへ。」と言ふを、うれしとは思へども、ただ一度にいらへんも、 待ちけるかともぞ思ふとて、今一声呼ばれていらへんと、念じて寝たるほどに、「や、な起こしたてまつりそ。幼き人は寝入りたまひにけり。」と言ふ声のければ、あなわびしと思ひて、今一度起こせかしと、思ひ寝に聞けば、ひしひしとただ食ひに食ふ音のしければ、ずちなくて、無期ののちに、「えい。」といらへたりければ、僧たち笑ふことかぎりなし

 

 

問題1.①比叡、③宵、㉙無期、の漢字の読みを答えよ。

 

ひえ

よい(よひ)

宵(よい)=名詞、夜に入って間もないころ

むご

 

 

問題2.④つれづれ、⑦心寄せ、⑧さりとて、⑨しいだす、⑮驚かす、⑲驚く、㉓いらふ、㉕念ず、㉗わびし、㉙ずちなし、㉚無期、のここでの意味を答えよ。(※左記の用言は終止形で表記してある。終止形のものとして意味を考えよ。)

 

することがなく退屈なこと、手持ちぶさたなこと

つれづれ=名詞、することがなく退屈なこと、手持ちぶさたなこと

期待を寄せること、あてにすること

心寄せ=名詞、期待を寄せること、あてにすること

そうだからといって、だからといって

さりとて=接続詞、そうだからといって、だからといって

作り出す、作り上げる

しいださ=サ行四段動詞「為出だす(しいだす)」の未然形、作り出す、作り上げる

起こす、目を覚まさせる

驚かさ=サ行四段動詞「驚かす」の未然形、起こす、目を覚まさせる。「驚く(カ行四段、目を覚ます)」とは意味が異なるので注意。

目を覚ます、起きる

驚か=カ行四段動詞「驚く」の未然、目を覚ます、起きる。先程の「驚かす」とは意味が異なるので注意。

返事をする、答える、返答する

いらへ=ハ行下二段動詞「応ふ(いらふ)」未然形、答える、返答する

㉕我慢する、耐え忍ぶ

念じ=サ変動詞「念ず」の連用形、我慢する、耐え忍ぶ

困ったことだ、情けない

わびし=シク活用の形容詞「侘びし(わびし)」の終止形、困ったことだ、情けない。つらい、苦しい、悲しい。

どうしようもない、なすべき方法がない

ずちなく=ク活用の形容詞「術無し(ずちなし)」連用形、なすべき方法がない、どうしようもない

ひさしいこと、時間が長いこと、期限のないこと

無期(むご)=名詞、ひさしいこと、時間が長いこと、期限のないこと

 

 

問題3.②あり、⑤せ、⑥言ひ、⑨しいださ、⑩寝、⑪わろかり、⑫寝、⑬出で来る、⑭ひしめき合ひ、⑮驚かさ、⑯待ちゐ、⑰もの申し、⑱さぶらは、⑲驚か、⑳たまへ、㉑うれし、㉒思へ、㉓いらへ、㉔呼ば、㉕念じ、㉖し、㉗わびし、㉘起こせ、㉙ずちなく、㉛かぎりなし、の活用の種類と活用形をそれぞれ答えよ。(解答例:㊿ハ行四段活用・連用形)

 

ラ行変格活用・連用形

あり=ラ変動詞「あり」の連用形、直後に接続が連用形の助動詞「けり」が来ているため連用形となっている。

サ行変格活用・未然形

せ=サ変動詞「す」の未然形、直後に接続が未然形の助動詞「ん(む)」がきているため未然形となっている

ハ行四段活用・連用形

サ行四段活用・未然形

しいださ=サ行四段動詞「為出だす(しいだす)」の未然形、作り出す、作り上げる

ナ行下二段活用・未然形

寝(ね)=ナ行下二段動詞「寝(ぬ)」の未然形。直後に接続が未然形の助動詞「ざら」が来ているため未然形となっている。

ク活用・連用形

わろかり=ク活用の形容詞「悪し(わろし)」、よくない、普通より劣る。「悪い」と訳してはならないので注意。「よし>よろし≧普通≧わろし>あし」みたいなイメージ。

ナ行下二段活用・連用形

寝(ね)=ナ行下二段動詞「寝(ぬ)」の連用形。直後に接続が連用形の助動詞「たる」が来ているため連用形となっている。

カ行変格活用・連体形

出で来る(いでくる)=カ変動詞「出で来(いでく)」の連体形、なので「いでる」と読む。

ハ行四段活用・連用形

ひしめき合ひ=ハ行四段動詞「ひしめき合ふ」の連用形、わいわい(がやがや)騒ぎあう。

サ行四段活用・未然形

驚かさ=サ行四段動詞「驚かす」の未然形、起こす、目を覚まさせる。「驚く(カ行四段、目を覚ます)」とは意味が異なるので注意。

ワ行上一段活用・連用形

待ちゐ=ワ行上一段活用の動詞「待ち居る(まちゐる)」の連用形

居る(ゐる)=ワ行上一段活用の動詞、すわる、横になる。上一段活用の動詞は「{ ひ・い・き・に・み・ゐ } る」と覚える。

サ行四段活用・連用形

もの申し=サ行四段動詞「もの申す」の連用形、「もの言ふ」の謙譲語、ものを申し上げる、お話申し上げる、もしもし、ごめんください。謙譲語なので動作の対象(言われる人)である稚児を敬っている。

ハ行四段活用・未然形

さぶらは=補助動詞ハ行四段「候ふ(さぶらふ)」の未然形、丁寧語、~です、ます。丁寧語なので話の聞き手である稚児を敬っている。

カ行四段活用・未然形

驚か=カ行四段動詞「驚く」の未然、目を覚ます、起きる。先程の「驚かす」とは意味が異なるので注意。直後に接続が未然形の助動詞「せ」がきているため未然形となっている

ハ行四段活用・命令形

たまへ=補助動詞ハ行四段「給ふ(たまふ)」の命令形、尊敬語。

シク活用・終止形

ハ行四段活用・已然形

ハ行下二段活用・未然形

いらへ=ハ行下二段動詞「応ふ(いらふ)」未然形、答える、返答する

バ行四段活用・未然形

呼ば=バ行四段動詞「呼ぶ」の未然形

サ行変格活用・連用形

念じ=サ変動詞「念ず」の連用形、我慢する、耐え忍ぶ

サ行変格活用・連用形

し=サ変動詞「す」の連用形、する

シク活用・終止形

わびし=シク活用の形容詞「侘びし(わびし)」の終止形、困ったことだ、情けない。つらい、苦しい、悲しい。

サ行四段活用・命令形

起こせ=サ行四段動詞「起こす」の命令形

ク活用・連用形

ずちなく=ク活用の形容詞「術無し(ずちなし)」連用形、なすべき方法がない、どうしようもない

ク活用・終止形

 

 

 ちごのそらね(稚児のそら寝)解説・品詞分解

 

 ちごのそらね(稚児のそら寝)まとめ

 

 

 

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