フロンティア古典教室

『完璧而帰(璧を完うして帰る)』(2)原文・書き下し文・現代語訳

   

青=現代語訳・下小文字=返り点・上小文字=送り仮名・解説=赤字

 

 

秦王約シテ趙王澠池。相如従

(しん)(おう)(ちょう)(おう)(やく)して(めん)()(かい)す。(しょう)(じょ)(したが)

 

秦王は趙王と約束して、澠池で会合した。藺相如がついて行った。

 

 

ムニ、秦王請趙王一レセンコトヲ。趙王鼓

(さけ)()むに(およ)び、(しん)(おう)(ちょう)(おう)(しつ)()せんことを()ふ。(ちょう)(おう)(これ)()

 

酒宴が始まると、秦王は趙王に琴を弾くことを求めた。趙王は琴を弾いた。

※(琴を演奏させられたことは、趙王にとっては屈辱)

 

 

相如復秦王チテサンコトヲ秦声。秦王()

(しょう)(じょ)()(しん)(おう)()ふを()ちて(しん)(せい)()さんことを()ふ。(しん)(おう)(がえん)ず。

 

藺相如もまた、秦王にほとぎ(=酒を入れる土器)をたたいて秦の民謡を歌うことを求めた。秦王は承知しなかった。

※藺相如は秦に対して毅然とした態度をとっておくべきだと考えている。

 

 

相如曰ハク、「五歩之内、臣得ントツテ頸血グヲ大王。」

(しょう)(じょ)()はく、「()()(うち)(しん)(けい)(けつ)()つて(だい)(おう)(そそ)ぐを()。」と。

 

藺相如は、「(私と秦王の距離は)五歩の範囲、私は首の血を大王に注ぎかけることができます。」と言った。

 

 

左右欲セント。相如叱。皆靡。秦王為タビ

()(ゆう)(これ)(じん)せんと(ほっ)す。(しょう)(じょ)(これ)(しっ)(みな)(なび)(しん)(おう)(ため)(ひと)たび()()つ。

 

側近が藺相如を斬り殺そうとした。藺相如はその側近を叱りつけた。皆圧倒されてひるんだ。(しかたなく、)秦王は趙王のためにほとぎを一回たたいた。

 

 

秦終()フル於趙。趙亦盛ンニヘヲ。秦()ヘテ

(しん)(つい)(ちょう)(くわ)ふる()(あた)はず(ちょう)(また)(さか)んに(これ)(そな)へを()す。(しん)()へて(うご)かず

※「不(スル)(コト)」=不可能、「 ~(する)(こと)(あた)はず」(能力がなくて) ~Aできない」

※「不ヘテ ~(せ)」=しいて(無理に) ~しようとはしない。 ~するようなことはしない

秦は最後まで趙を威圧することが出来なかった。趙も十分に秦に対して(兵を)備えていた。秦も無理に手出ししようとはしなかった。

 

 

ひとつ前の話はこちら『完璧而帰(璧を完うして帰る)』(1)原文・書き下し文・現代語訳

 

 

 

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