フロンティア古典教室

源氏物語『桐壺』現代語訳(3)

      2016/11/20

(光源氏の誕生)

「黒=原文」・「青=現代語訳

 解説・品詞分解はこちら源氏物語『桐壺』解説・品詞分解(3)

 

初めよりおしなべての上宮仕(うえみやづか)へし(たま)ふべき(きわ)にはあらざりき。

 

母君(=光源氏にとって母である桐壷の更衣)はもともと普通一般のおそば勤めをなさるはずの身分ではなかった。

 

 

おぼえいとやむごとなく、(じょう)()めかしけれど、わりなくまつはさせ給ふあまりに、

 

評判も格別で、貴人らしいようすであるけれど、分別なく(むやみやたらに)おそばに付き添わせなさる結果、

 

 

さるべき御遊びの折々(おりおり)、何事にもゆゑある事のふしぶしには、先づまう上らせ給ふ。

 

しかるべき管弦や詩歌などのお遊びの時や、何事につけても趣のある催し事のあるたびに、まっさきに(桐壷の更衣を)参上させなさる。

 

 

ある時には大殿(おおとの)ごもり過ぐして、やがて(さぶら)せ給ひなど、

 

ある時は、(桐壷帝が)お寝過ごしになって、そのままお仕えさせなさるなど、

 

 

あながちに()(まえ)去らずもてなさせ給ひしほどに、おのづから軽き方にも見えしを、

 

むりやり(桐壷の更衣が帝の)おそばを離れないように扱いなさるうちに、自然と軽い身分の人のように見えたが、

 

 

この御子(みこ)生まれ給ひて後は、いと心(こと)(おぼ)ほしおきてたれば、

 

この御子がお生まれになってから後は、たいそう格別に心を配り扱いなさったので、

 

 

(ぼう)にも、ようせずは、この御子の居給ふべきなめりと、一の皇子の(にょう)()は思し疑へり。

 

皇太子にも、わるくすると(≒もしかすると)、この御子がお就きになるのではないだろうかと、第一皇子の母である女御(=弘徽殿の女御)は、お疑いになっている。

 

 

 人より先に参り給ひて、やむごとなき御思ひなべてならず、御子たちなどもおはしませば、

 

(この弘徽殿の女御は)他の后よりも先に(桐壷帝の后として)入内なさって、大切になさる気持ちも並ひととおりでなく、お子様たちもいらっしゃるので、

 

 

この御方の御いさめをのみぞ、なほわづらはしう、心苦しう思ひ聞こえさせ給ひける。

 

この女御のご苦情だけは、やはり面倒に、(しかし、)気の毒にもお思い申し上げていた。

 

 

かしこき御(かげ)をば頼み聞こえながら、おとしめ、きずを求め給ふ人は多く、

 

(桐壷の更衣は)恐れ多い(桐壷帝の)庇護を頼みに思い申し上げているけれども、(桐壷の更衣を)さげすみ、欠点を探しなさる人は多く、

 

 

わが身はか弱く、ものはかなきありさまにて、なかなかなるもの思ひをぞし給ふ。

 

(桐壷の更衣)自身の体は弱々しく、なんとなく頼りないありさまで、かえって(帝のご寵愛をいただかない方が良いといった)思い悩みをしなさる。

 

 

御局(みつぼね)桐壺(きりつぼ)なり。

 

(桐壷の更衣の)お部屋は桐壷である。

 

 

 源氏物語『桐壺』解説・品詞分解(3)

 

源氏物語『桐壺』(3)問題

 

源氏物語『桐壺』まとめ

 

 

 

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