フロンティア古典教室

『蛇足』原文・書き下し文・現代語訳

      2016/12/03

青=現代語訳・下小文字=返り点・上小文字=送り仮名・解説=赤字

蛇足=余計なこと、なくてもよいもの

 

 

。賜舎人卮酒。舎人相謂ヒテハク

()(まつ)る者有り。()の舍人に()(しゅ)(たま)(しゃ)(じん)(あひ)()ひて()く、

 

楚の国に祭りをつかさどる神官がいた。その使用人たちに大杯の酒を与えた。使用人たちは話し合って言った。

 

 

「数人ニテマバ()、一人ニテマバ

「数人(これ)を飲まば足らず、一人にて之を飲まば余り有り。

 

「数人でこれを飲めば足らず、一人で飲めば余るほど有る。

 

 

キテ、先者飲マント。」

()地に(えが)きて(へび)(つく)()づ成る者酒を飲まん。」と。

※「請 ~」=願望、「どうか ~ させてください、どうか ~ してください」

(なので、)地面に蛇を描いて、一番先にできた者が酒を飲むことにしよう。」

 

 

一人蛇先。引キテ(まさ/す)マント

一人蛇先づ成る。酒を引き(まさ)に之を飲まんとす。

※「(まさ/す) ~ (セ)ント」=「且に ~ (せ)んとす」、「いまにも ~しようとする/ ~するつもりだ」

一人の蛇がまず出来上がった。酒を引き寄せて、今にも飲もうとした。

 

 

左手、右手キテハク、「吾能ルト。」

(すなは)ち左手に()を持ち、右手に蛇を(えが)きて曰はく、 「(われ)()く之が足を(つく)る。」と。

 

そこで左手に杯を持ち、右手で蛇を書き加えて、「私は蛇の足を描くことができる(ほど余裕がある)。」と言った。

 

 

(いま/ざ)ダ/ルニ、一人()蛇成。奪ヒテハク

(いま)だ成らざるに、一人の蛇成る。其の()(うば)ひて曰はく、

※「(いま/ざ) ~ (セ)」=再読文字、「未だ ~(せ)ず」、「まだ ~(し)ない」

(その蛇の足が)まだ出来上がらないうちに、別の一人の蛇が出来上がった。杯を奪い取って言ったことには、

 

 

「蛇固ヨリ足。子安クンゾラント。」

「蛇(もと)より足無し。子(いづ)くんぞ()く之が足を(つく)ん。」と。

※「安クンゾ ~ (セ)ン(ヤ)」=反語、「(いづ)くんぞ ~(せ)ん(や)」、「どうして ~(する)だろうか。(いや、~ない)」

「蛇にはもともと足はない。あなたはどうして蛇の足を描けるのか。(いや、描くことなどできないだろう。)」と言った。

 

 

。為レル者、終ヘリ

(つひ)に其の酒を飲む。蛇足を為れる者、(つひ)()の酒を(うしな)へり

 

結局、(二番目に出来た者が)その酒を飲んだ。蛇の足を描いた者は、とうとう酒を飲みそこなってしまった。

 

 

問題はこちら『蛇足』問題

 

 

 

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