フロンティア古典教室

徒然草『仁和寺にある法師』現代語訳

      2016/09/06

「黒=原文」・「青=現代語訳

 解説・品詞分解はこちら徒然草『仁和寺にある法師』解説・品詞分解

 

仁和寺(にんなじ)にある法師、年よるまで岩清水を拝まざりければ、

 

仁和寺にある法師が、年をとるまで、石清水八幡宮に参拝したことがなかったので、

 

 

心うく覚えて、あるとき思ひ立ちて、ただ一人、徒歩(かち)よりまうでけり。

 

残念に思われて、ある時思い立って、ただ一人、徒歩で参拝した。

 

 

極楽寺、高良などを拝みて、かばかりと心得て帰りにけり。

 

極楽寺、高良神社などを拝んで、これだけだと思って帰ってしまった。

※石清水八幡宮はこれだけで全部だと勝手に思い込んで帰ってしまったということ。

 

 

さて、かたへの人にあひて、「年ごろ思ひつること、果たしはべりぬ。

 

そして、仲間の法師に向かって、「長年思っていたことを、果たしました。

 

 

聞きしにも過ぎて、尊くこそおはしけれ。

 

以前から聞いていた以上に、尊いおありでした。

 

 

そも、参りたる人ごとに山へ登りしは、何事かありけん、ゆかしかりしかど、

 

それにしても、お参りに来たどの人も山へ登ったのは、何事があったのだろうか、知りたいと思ったけれど、

 

 

神へ参るこそ本意なれと思ひて、山までは見ず。」とぞ言ひける。

 

神へお参りすることが(私の)本来の目的であると思って、山(の上)までは見ませんでした。」と言ったのだった。

※山の上にある石清水八幡宮の本殿には参らず、ふもとの付属の寺と神社に参っただけで帰ってきてしまったという間抜けな話。

 

 

少しのことにも、先達はあらまほしきことなり。

 

ちょっとしたことにも、指導者はあってほしいものである。

 

 

 解説・品詞分解はこちら徒然草『仁和寺にある法師』解説・品詞分解

 

品詞分解のみはこちら徒然草『仁和寺にある法師』品詞分解のみ

 

 

 

 - 未分類